ついに見つけたが《日本のウイスキー 最近の話①》

サントリーのビンテージモルト

 ずっと、ことあるごとに漏らしていたこと。「ミズナラの樽で熟成させたシングルモルトウイスキーを飲んでみたい」。ミズナラは日本のオークなので、これで熟成させたモルトは、伽羅の香りとか、白檀の香りとかなんとか。とにかく比類なく「日本のウイスキー」になるんだそうだ。だから。イチローズ・モルトが出してたのだけど、出した瞬間に完売。そもそも主な販売市場が海外だそうで。海外で評判なのに、産地の日本人が飲めないとは納得できん。サントリーがさすがにミズナラ樽でも熟成させているのだけど、それをシングルモルトで出す気配はないのぉ。と思っていたら、ありました。サントリーは2004年に、山崎、白州両蒸留所から数種類のビンテージ・ウイスキーを出していたのでした。その中に。http://www.sake-brutus.com/whisky_topic/vintage/index.html#item1979
 1979年蒸留の山崎です。しかし、値段は・・・・。はあ。手が出るかいな。同シリーズの1980年山崎が、イギリスの雑誌「whisky magazine」で大変な高評価を得ていたのでこれも興味津々。こいつは実はタカムラにも置いてあるのを知っているが、これにしたって手の出る値段ではござんせん。このサイトの値段は、これでもサントリーのオフィシャルサイトショップで買うよりはだいぶ安いのだけど(オフィシャルサイトでは第一ほとんどのボトルが完売してしまっている)。
 せめてバーにでも置いてあれば、ハーフショットででもありつきたいもんですよ。それにしたって無茶苦茶高いんだろうなけどなあ・・・・。

 この頃日本のウイスキーが気になってしょうがない。
 日本のウイスキーは、本場スコットランドに徹底的に学ぶことによりスタートした。アメリカのウイスキーは、かの地に渡った人が現地の作物を使って全く違う気候の中で作ったから全く違うものができたが、そのぶん発祥からアメリカならではの個性があった。対して日本は、原材料から気候から、とにかく本場に倣い、本場を目指してきた。他の産業の例に漏れず、レベルはどんどん上がって来てここに至った。しかし昨今のシングルモルト流行り。ブレンデッドではなくシングルモルトをあえて好む理由はひとえに個性の探求に在り。期は熟し、ついに日本でも、大御所サントリーが本気を出し、一方でその名もずばり「ベンチャーウイスキーイチローズ・モルトが理想を胸に立ち上がった。いまや日本のウイスキーは世界で5本の指に入るようになったとか。いよいよ「日本ならでは」を磨き上げる時代に入った。中でも「これぞ日本のウイスキー」、その最もわかりやすい形がミズナラ樽熟成のシングルモルトだと思う。これが是非とも飲んでみたい所以。
 少し続けて日本のウイスキーの話をします。