いよいよ

 僕にとって映画原体験が『スターウォーズ』。もちろんそれまでにも映画館で映画は観いてたが、あの開巻、巨大戦艦が頭上を馳せ抜けて行く大迫力に、バチッと眼を見開かされた。
 そして、映画に「ハマった」のは『ブレードランナー』体験。公開数年経っていたがまだ当時あった大毎地下という名画座で鑑賞し、衝撃を受けた。鑑賞後何度も胸の内で反芻した。以後、ずるずると映画の深みにはまっていくことになる。
 最も繰り返し観ているの映画がこの『ブレードランナー』だ。何バージョンも存在し、発表されるたびに見返した。もちろん原作も読んだが、ある意味理想的な映画化作品ではないかと思う。両者は全くの別物でありながら共に甲乙つけ難い名作であり、共に作り手の個性を最大限発揮した作品であるゆえに。
 その『ブレードランナー』の続編が、いよいよ今週末公開される。ドゥニ・ビルヌーブ監督自身が、最初にこの企画の話を聞いたとき「最悪の企画だ」と思ったという。同感だ。あのエンディングのあと、どうなったかなんてわかってはいけない。それに、あの奇跡の映像美をどうやって継ぐのか。二番煎じではいけないけれど、しっかりと継承していなければならない。そんなもの、できるわけがない。「まあ、よく頑張って作ったと思うよ」なんて続編は要らない。そう思った。
 だが、今はもう一刻も早く観たい。好意的な宣伝もされているが、監督に興味があることと、理屈ではない「予感」がある。これは観ておくべき作品だ、と。
 鑑賞後に改めて感想は書くと思いますが。いや、書けないかもしれない。自分の中で「こなれる」までは、たぶん暫く言葉にするのは難しいだろうと思う。