嫌らしいやり口

 サントリーウイスキーが4月から値上がりすることは随分以前からわかっていました。その上がり幅がアホ程高いことも。それだけでも「なに調子乗ってんねん」とは思ってたんですが、ここに来て更に上乗せして腹が立ってます。いわゆる「需給調整」というやつをやっている。わかりやすく表現すると「売り惜しみ」ですね。
 値上げ前の駆け込み需要で品薄状況になっている。それはわかります。メーカーとしても値上がりしてから売りたいというのは人情。にしても程度問題でしょう。
 あるバーでは定番ハイボールとしてサントリーの或るウイスキーを使っている。大変有名な名物です。サントリーにとってはいわゆる大得意様ですね。その上に、メーカーからの打診で白州12年を使ったハイボールを第二の定番として提案することになって、僕もお店に行く度愛飲していました。それがここに来て品薄を理由に供給がストップしてしまった。量が減らされたんじゃないです。ゼロになったんですよ。使えと言い出した方が、どの面下げて、と思いませんか。別のあるバーでも影響が伺えました。そのお店は白州ノンエイジがハイボールの定番。客がウイスキーを指定しない限り白州で供されています。それが、過日行った折にハイボールを注文すると「ウイスキーは何でもいいですか」と仰る。すぐに察して何でもいいですと申し上げたところ、やはり白州ではないウイスキーで作って下さいました。在庫がもう殆どないのでしょう。
 店頭でももう山崎・白州とも12年は完全に姿を消しています。ノンエイジも「在庫僅か」といううたい文句が付いている。実は僕も白州は12年とノンエイジ、いまのうちに買っておこうかと少し思っていました。が、暫くは飲んでやるもんか、と決めました。好きな酒だからどうせほんの暫くの痩せ我慢でしょう。第一僕がヘソ曲げて何の痛痒になりましょうか。それでもホンマ腹立つ。サントリーは昔から良く言えば「商売上手」ですけれど、ここまで来たら嫌らしいわ。あくまで売り方の話で、作り手さんには大いなる敬意を払っているのですが。