『007 スカイフォール』③

 もうひとつ。
 今回Qが復活するというのは前宣伝から明示されていました。
 言わずもがなの話をしますが。
主人公が今のダニエル・クレイグになった時点でシリーズは一旦リセットされていて、ボンドが007になるところから話が始まった。『カジノ・ロワイヤル』は原作の第一作を忠実に映像化。次の『慰めの報酬』でやっと従来のボンドらしくなり、「さあ次回からみなさんお馴染みの007号が活躍しますヨ」というメッセージが込められたところで終わっていました。この間、過去のシリーズでお馴染みの常連キャラクターが全ては再登場していなかった。第16作『消されたライセンス』で再起不能になったCIAの友人フェリックス・ライターが元気な姿を見せていたのがせいぜい。上司のMが何故か旧シリーズから続投してるのが矛盾といえば矛盾だったのですが、それだけ女優ジュディ・デンチが捨てがたかったということ。それは何より今作でじっくり堪能できるところです。
 それが今回、ファン待望のQ=ボンドに秘密兵器を授け窮地を救うキャラクターが復活しました。飄々とした個性でいつもボンドと口喧嘩ばかりしていたデズモンド・リュウエリンが懐かしいですが、今回は思いっきり若返り、ボンドもびっくりしていた。演じるベン・ウィショーが快調で、今後ボンドとのやりとりが楽しみです。
ところが、実は最後にもうひとり、シリーズでお馴染みだったキャラクターが復活します。それが判明するひとつ前のシーンで気づいて思いっきり息を呑んでしまいました。切ないエンディングにもかかわらず、ラストに相次ぐ「目配せ」に、オールドファンは大いに溜飲を下げて劇場を後にするに違いありません。
それにしても、ジュディ・デンチのMは素晴らしかった。
あと二作、クレイグ・ボンドは作られるといいます。すぐ次が観たい!(最後まで読んで下さった方がおられたなら感謝します。大呉くんとか。ありがとうございます!)