『ナイト&デイ』と『シューテム・アップ』

 ともにお気楽なアクション映画。
 『ナイト&デイ』は、主演のトム・クルーズが降板した『ソルト』同様、主人公が「何者なのか?」が明らかになった時点で失速しますが、それでも『ソルト』よりは(急に調子が変わってしまうにせよ)面白かったのでは、と思います。監督は『3時10分、決断のとき』で惚れたジェームズ・マンゴールド。性格が気真面目なのか、もひとつ突き抜けたところがあれば、とは思ったものの、トム・クルーズキャメロン・ディアスがこの手のキャラクターとしては賞味期限切れ、という世評については、いやそれも含めてのパロデイではと感じたので、僕には気にならなかった。突っ込みどころ満載のストーリーについても全く問題なく、むしろもっと「イって」しまっていれば良くなったものを、と惜しまれます。
 そこのところ「突き抜け」きって完全に「イって」しまっているのが『シューテム・アップ』。完全にアホです。これ褒め言葉で、僕は大好き。ダメな人には全然面白くないと思います。何でもマイケル・デイビス監督は、ただ銃撃戦が撮りたかっただけとか。だからストーリーなんてどうでもいいんです。この話から銃社会への警鐘、とか読みとらなくてもいいし。とにかくムチャクチャなガンアクションが次から次へと。「もうケッコウ」というくらい展開されます。クライブ・オーウェンがワルサ―PPKを撃ちつつ「安もんの銃だ」と吐き捨てるとこなんざ、笑ってしまった。
 どっちもアメリカ公開は2007年なんですね。劇場で観たかった。