『96時間』

 前日の文から、リーアム・ニーソンつながりで。こちらは掛け値なし上質のアクション娯楽作。
 元工作員の男が誘拐された娘を救うために犯人を追う! 以上! 潔い! 猶予が最大96時間だからちんたらしている時間が全くない。工作員としてのスキルがすさまじく、冒頭のくたびれた親父ぶりから打って変わって強引であり沈着冷静、というスパイの顔を顕して突っ走る、このギャップはやはりキャスティングの勝利でもある。同じ年配でもこれがスタローンやセガールだったりするとだいぶインパクトが落ちてしまったと思う。
 以前ちょこっとだけ、ジェームズ・ボンド役にリーアム・ニーソンの名も挙がっていたことがある。「イメージ違うなあ」と思ったものだが、この活躍ぶりを見ると案外いいアイデアだったのかも、と思う反面、いややはり今回はイメージが違ったからこそ良かったのだ、とも思ったり。
 リュック・ベッソンが製作。ベッソンに興味を失って久しくなるけれど、製作者としてはいい仕事してるじゃないですか! もちろん、監督のピエール・モレルも。今この監督の新作『パリより愛をこめて』上映中ですね。観たくなってきた。