原作新連載「エターナル編」

 文庫版で全18巻のうち、12巻までで一度銀河鉄道999は終了します。時を経て再開された新連載はそのまま第13巻から続くのですが、どうも単純な「前からの続き」という感じではありません。映画2作品から受け継いでいる設定も多く、原作のそれまでとは矛盾する部分もあります。殊にトチローの存在についてはそうです。ハーロックやエメラルダスも準レギュラーと言っていいくらい頻繁に登場するようになる。なんとヤマトまで出てくる! 異作品がシンクロするというのは個人的には好みの趣向なのですが、ちょっとやりすぎという感じがする。作品全体が荒っぽく、好戦的になりすぎているのも気になります。何より、前作連載から長い時間を経た影響で、キャラクターの画風が結構変ってるんですね。特にメーテルの感じがえらく変わってしまった! 顔も変わったし、性格もだいぶ変わったという印象を受けます。どんな漫画でも長期連載となるとこういうことは必ずあるので違いを楽しむ余裕が要るのでしょうが・・・・。
 そして、強大過ぎる新たな敵が出現し、主人公の将来にも劇的な変化がほのめかされ、新たな登場人物が大量に投入され、そうして物語は中断されてしまいます。これってなんだか・・・・「サイボーグ009」とおんなじ轍を踏んでませんか・・・・。まあ、009と違って原作者松本零士氏は健在ですから、まだこれからに期待が持てない訳ではないのですが・・・・。映画3作目「エターナル・ファンタジー」もあんなに「始まったばっかり」な終わり方しちゃってますし、完結には相当な困難が予想されます。何とか広げた風呂敷を見事に完結させて、この名作に有終の美を与えて欲しいものです。

これがエターナル編のメーテル