久々の大西順子

 ジャズピアニストの大西順子さんは8年間も活動停止されてたのですね。今年はアルバムは出してませんが各地でライブ活動を再開されているようです。それが我が地元西宮でもソロライブがあるというのを弟がキャッチしてくれて、チケットを取っててくれました。二人で聴きに行きました。
 僕はジャッキー・マクリーンとの共演版「hat trick」一枚を持っているのですが、この当時は「女性とは思えない力強いプレイ」「日本人とは思えない本格的な演奏」という形での褒め言葉で喧伝されていました。訊く方としては女性だろうが日本人だろうがいいプレイなら満足な訳でその溌剌としたプレイに聴き惚れたものです。
 しかしこの夜のプレイは、かつて聴き馴染んだものとは様相を異にしていました。オリジナルの「ユーロジア」を皮切りに、スタンダード演奏においても、いわゆる誰でもやるようなジャズジャスしたものではなく、勿論思いっきり黒っぽいノリも炸裂するのですが独特の構成と抑制があり、これならキース・ジャレットのように独自のスタンダード展開も売りになるのではと思われる魅力に満ちていました。
 兵庫県立芸術文化センターの小ホールは、なんとステージをぐるり四方に囲んだ客席で、僕らが座ったのは真後ろに当たる位置だったんですが、なんせステージにはピアノ一台きりですから前も後ろもありません。全部で500席もないこじんまりとしたホール。どの席からも大西さんはすぐ目鼻の先です。こんなに傍近くで演奏を聴けるなんて! 感激でした。
 最近書かれた新曲にはまだ名前が付いておらずただ「6番」と仮に言うそうですが、早くこれが名前がついて、アルバムに収録される日を心待ちにしたいと思います。
 この後久々に弟とふたりで飲んだ話を次に。


 you tubeで検索した、以前の大西さんの演奏です。何れもビッグネームとの共演。堂々たるもんです。