解禁日を二日も過ぎて

 話題にする時点で完全に「ふさわしくない」人であります。
 ボージョレ・ヌーヴォは毎年「船便の安いのが来てから飲むからいい」なんて言ってて結局忘れて飲まず仕舞いになるのだから、その時点であちらさんから「あんたは飲まんでよろし」と言われる人種ですな。よく言われることですがこいつは「祭」なので、解禁日を心待ちにして飲むことこそふさわしい。そもそも船便待つくらいなら他の地域の新酒で充分のはず。よく考えたらワインの新酒は僕の好みからは外れているので、やっぱりどうしても飲まなアカン人間ではないようです。だからわざわざ日記のネタにすることもないんですが。
 ひとのことなんてどうでもよさそうなものなのに、解禁日のニュースを見ていてどうしても違和感があったのが、朝からデパート店頭でボージョレ・ヌーヴォのふるまいをやっている人込みにたくさんのビジネスマンがいたこと。仕事のないおばちゃんたちが群がるのはどうぞご勝手に、なのですが。あんたらそれで仕事行くんだろ? 何考えてるんだよ、とつい思ってしまったのです。(で、テレビのニュースに突っ込み入れて妻にたしなめられるのですね。)おまけに「ん〜、気分はイタリアン」なんて途方もなくイタいコメントしてる人を見るに及んでは、こっちが恥ずかしくなってしまいました。
 最初に申し上げた通り、ボージョレ・ヌーヴォに固執するなら解禁日の日付変更を待ち構えて抜栓に喝采して飲むのが正しいのでしょう。イタリアもフランスも区別がついてないような「酔えたら何でもいい」人がボージョレにかこつけて仕事前にひっかけてるのを見るとオノレの仕事をなめとるのか、とつい面と向って言いたくなってしまう。本当に、人のことだからどうでもいい話なんですが。頭にくるいわれなんぞ全くない話なんですが。
 ちなみに今年のボージョレ・ヌーヴォについては、bar織田さんのメールニュースにこのように語られておりました。曰く、今年は夏に雨が続いたので育ちの遅い地域では十分にぶどうが熟しておらず、生産量の多い地域ではかなりの量腐敗してしまったとか。一方で丁寧に育てた畑では逆にいい物が出来たようです。つまり今年は栽培者の腕の良し悪しで出来がまっぷたつに分かれる、と。ですから今年のヌーヴォは試飲して買った方がいいそうですヨ。
 先日飲んだジャン・バルモン・カベルネ・ソーヴィニヨンですが、栓を抜いた翌日の方が甘みも感じておいしく思えましたんですよ。やっぱり僕のワインに対する味覚は全然なっとらんのでしょうねえ。