こころ その後

夏目つながりで


 中に何人か凄く興味持ってる子がいるんです。あるクラスでは途中である生徒がkの自殺を察知してしまいました。僕はこの作品を取り上げる時ははじめに通読することをせず、一段落ずつ読みながら、後の展開を気にさせながら授業して行きます。その子は教科書の先を読んだ訳ではないんですよ。勘です。一瞬しまった、と思ったのですが、意外とこれが良かったみたい。全体の関心がいっきに強まりましたし、表現や場面のあちこちに潜められている伏線が生徒にも読めてくるんですね。で、別のクラスではわざとこちらから話の先を予測させてみました。するとやはりkの死を考える子が出てくる。そのクラスは全体に学習意欲が低いのだけれど、これで俄然興味を持つ度合いがアップしました。
 これはいい手段かもしれない。これまでこの作品は4箇所ほど「謎」のまま置いておいて結末(と言ってもkの死までですが)まで講読してから数々の謎について改めて考えさせたのだけど、このように途中であえてkの死を勘づかせてから進めた方が、興味も持つし読解も深まるかもしれません。