伝わったろうか

 学級通信の文章より。

 長崎空港で、滑走路に向かう全日空機の無線が使えなくなった。ルールに反し、携帯電話の電源を切っていない乗客がいたため、一部で「携帯が原因か」と報じられた▼ところが、管制塔でも同時刻に無線が不調だったことが分かり、携帯電話のぬれぎぬは晴らされたという。この騒ぎのお陰で、何かの時は乗客の携帯が疑われると知った。「空騒ぎ」も時に無駄ではない▼かたや、間違っても落ちない安心からか、電車の優先席では携帯電話が野放しの状態だ。電磁波は約20センチの距離で心臓ペースメーカーを狂わせる恐れがある。外出のたび、逃げ場のない車内で「凶器」に囲まれ、心で悲鳴をあげている人もいるだろう▼しばらく前の声欄(東京本社版)に、帰宅中の目撃談「携帯メールで殴り合い寸前」が出た。優先席でメールに夢中の若い女性。前に立つ初老の男性が注意したら「うるさい」と一喝され、女性に加勢する酔客らも参戦した。場が収まり、投稿者が「殴られますよ」と声をかけると、男性は「2度あります」と答えたそうだ▼警告と違反が同居する「走る無法地帯」とは情けない。車中の飲食や化粧も見苦しいが、優先席の携帯電話は人様の体調にかかわる。迷惑が見えないからといって、罪悪感まで消えていいはずがない。鉄道会社は実効ある対策を講じる時だ▼優先席で携帯を切る習慣を機内並みの「常識」にするまで、何人が心で悲鳴をあげ、何人が殴られるのか。弱者や善人に勇気を強いていては、豊かな情報社会の離陸はおぼつかない。
2007年10月22日(月曜日) 天声人語

 まったく、嘆かわしい話です。人の身体のことなんてどうでもいいのでしょうか? どれだけ大事な話をしているのか知りませんが、ちょっとメールに神経質になりすぎていませんか? 自分自身のことも少し考えてみましょう。
人と話しているときだろうが授業中だろうが、来たメールには即返事をしないといけないというのはマナーでもなんでもありません。既にこれは軽い病気なのです。もともとメールの良さは、電話と違って相手の都合を邪魔しない、相手が都合の良いときに見て都合の良いときに返信してもらえるというところにあったはず。即返事をしないと機嫌をそこねてしまう相手など、大した人間ではないと考えていた方がいいです。くれぐれも、メールに支配されている人間になり下がらないで下さいね。



 生徒を見ていますと、授業中でもメールが来ると、後で見るとかいうことができず、すぐに携帯を触らずにいられないようなのですね。そしてすぐに返信せずにいられないようなのです。どうやらもらったメールには即返事をしないと相手に済まない、という意識があるように見受けられるのです。確かにメールを打ってすぐに返事がないと不安になるケースもあるでしょうが、ちょっと神経症的になりすぎている。友達への気配りと思っているようですが、度が過ぎます。過敏症です。嫌われたらどうしよう、という意識が強いのでしょう。これも携帯電話がもたらす病気の一種だと思うんですよ。本気で、携帯なんてこの世からキレイさっぱり消えてしまえばいいのにと思うことがあります。なきゃないでどうにでもなりますよ。こいつのおかげでいろんな病が吹き出でいると思えてならないのですが、それは単に僕がオッサンだからですか。