映画『トランスフォーマー』(ネタバレあります)

この市街戦がいかつい

 僕の世代なら知ってるはずだ。これのオリジナルのアニメ作品を。なのに、僕は知らない。ミクロマンは結構集めていたのに。(注 そもそもは、日本のロボット玩具がアメリカで受けて、日米共同でアニメ化されたのが原点だそうです。)思い返してみれば、漫画好きなくせにあまりアニメは見ていなかった。特にロボットものは。この世代なら必須の『宇宙船勘ヤマト』も『機動戦士ガンダム』もきれいさっぱり一回も観ていない。男子としてはかなり異端児だろう。『あしたのジョー2』くらいかな。いやルパンはずっと観てたか。そうそう、高校生の時に『超時空要塞マクロス』だけはなんか惹かれて、途中から観ていたな。あれも戦闘機が人型のロボットに変形(=トランスフォーム)する。あのデザインはクールだった!
 という訳で何の予備知識もなく鑑賞。その弊害か、敵味方の識別がとっても難しかったのと、バトルや変形の動きが速過ぎて何が起こっているのかほとんど把握できなかった。でも面白かったですよ。アニメの実写化だから当たり前なんだけど、まんまアニメの勧善懲悪の世界。設定やネーミングのセンスなんかもそうだし。変形し終えてポーズをとり名乗るところなんか本当にヒーローものそのもの。微笑ましく思いつつ、素直に童心に帰って楽しみました。中でもやっぱり、黄色いカマロに変身するバンブルビー、彼が無口で男前やったなあ! あと良かったなと思うのは、人間達が結構活躍するところ。ただ右往左往する「その他大勢」ではなく、戦力的に大きく引けをとるなりに知恵と団結と勇気でロボットの闘いを助けて行く様が、全体の中でも感動を引き起こす大きなポイントになっていた。
 オリジナルをよく知ってる人にとってはどうだったんでしょうね? かつての『ゴジラ』みたいに全く別物になってるんでしょうか? だとしたらコアなファンは不満が多いんでしょうね。幸か不幸かその原典を知らないので、単純に楽しめましたが。あの終わり方は完全に続編が作れるようにしてありますね。敵、ひとり逃げたし。スターウォーズ1作目のダースベイダーみたいに。次作るなら是非もっとじっくりマシンの変化や動きを見せて欲しい。技術的にまだ辛いのかなあ。それと、マシン個々の個性も活かして描き分けてくれるともっと感情移入できるだろうなあ。