映画『300 スリーハンドレット』

300

 妻が試写会を当てました。素晴らしい。僕も映画に興味を持ち始めた頃はよく試写会に応募したものですが、なんと一度たりと当たったためしがない。頻繁に出して一度も当たらない奴は珍しいらしい。転勤した元同僚は、ほぼ百発百中でしょっちゅう試写会に行ってはりました。
 この映画は今盛んに宣伝していますから皆さんなんとなくご存知でしょう。スパルタ王国が侵略の危機に瀕しペルシャ100万の軍勢に300人という「多勢に無勢」で抗した史実をベースに映像化したもの。CGを駆使しまくった映像は喧伝に違わず大スクリーンで見る価値大です。単調なストーリーですが戦闘方法や敵の「次の手」を工夫して否応なしにぐいぐい魅せます。好戦的に割り切った価値観で、理屈ぬきで楽しむが吉。
 異形のキャラクターなどいかにも原作のフランク・ミラーらしいです。と言ってもフランク・ミラーのコミックって『シン・シティ』原作の一冊しか読んでないですが。作り込んだ画面はひとつひとつが絵画のようでそれだけでファンタジックな史劇らしさを醸し出しており、スター不在・小規模(300人と言うが30人くらいにしか感じない)という、(この手の史劇ならたいていつきもののの)スケール感のなさを充分補っていました。ハリウッド大作の史劇といえば昔から豪華絢爛ながら大味というのが定石ですから、随分対照的です。ただし。手も脚も首もすっぱすっぱ斬り落とされて行きますから、ちょっと妻にはきつかったと思います。そういうのが苦手な方はご一考を。複雑なストーリーや人間描写が不可欠な向きにも合わないかと。雑誌「HIHO」愛読者の方には歓迎されるのではないかなあ? 余計なことばっかり言ってますね・・・・。