蛮勇か?

似てると言われます。文章似たかった!

 だいぶ迷いました。いや迷ってはいませんでしたが、覚悟決めるのに少々手間取りました。定番教材『山月記』を授業でやることにこんなに腰が引けたことはありません。本当に難しくなってきました。『山月記』そして中島敦を僕は大好きです。しかしこの作品は言葉が難しくまた特に女子生徒の関心が低いことではトップクラスの教材です。僕も実感として連中が拒否反応を起こすのが手に取るようにわかるのです。だから覚悟が要るのです。でもこれを飛ばすことはこれっぽっちも考えません。漱石の『こころ』もやりますよ。去年も諸般の事情あってですが前任者がパスされた『羅生門』をやって、それなり手応えも感じておりましたし。
 今日いよいよ本文に入りました。まずは最初に作品をむちゃくちゃ褒めます。内容も、そして文体も。君らにはガイコクゴに見えるのかもしれないがねこれはとんでもない名文なのだ、と。少々朗読下手でもこの文章なら流れるように朗々と読めるのだ、と。そうしておいて範読します。全精力をつぎ込んでやります。今回は一度に通読はしません。連中が持ちません。先に段落に分けて、その時間にやるとこまでしか読みません。連続ドラマっぽくなります。そして読解に入ると、とにかく細かな言葉の解説は最小限にし、連中に解る言い方に変換してスピーディに進めます。このやり方には当然賛否ありましょうが、とにかく今回はこれで行こうと決めていました。
 さいわい、今日の「掴み」は上々でした。「これ面白い!」と言う女子が何名か。どんどん先を読み進めている生徒も数名。まずはいいスタートです。しかし、油断は禁物。始まったばかりです。こいつで試験もやらなきゃいけないんです。さて、どこまでこの名作を味わってもらえるか。そして自身に引き寄せていろいろと考えを巡らせてもらえるか? 勝負です。