ラーメンズ 公演「TEXT」

ラーメンズ

 新神戸オリエンタル劇場でのステージを観て来ました。
 妻の友達がラーメンズのファンで、二日間ある公演の両日に保険かけて申し込んだら両方当たってしまった、とのことでした。喜んで飛びつきましたが妻は本当はあまりラーメンズが好きではない。ビデオを観て「面白さが判らない」と言っていました。それでも付き合ってくれた。僕は本当に楽しみにしていました。
 もうずっと笑いっぱなしで、涙が止まりませんでした。
 今回特に凄かったのは、ふたりが別々に、全く違う場所での全く違う話をしているのに、それがいつのまにかシンクロしてる、というパターンです。例えば一方で片桐仁がテレビの秘境探検の話をしている。もう一方で小林賢太郎がさびれた商店街の町興しの話を始める。明らかに何の接点もないはずのこの二人の会話がなんか無茶苦茶ピッタリ合ってくる! このバリエーションが更に複雑になって様々に提示される。ラーメンズの細部まで練りに練られた脚本の、面目躍如たるところだ。ラーメンズの魅力って、この緻密な伏線だらけの脚本と、「ノリ」ではなく「間」で攻めてくる笑いの芸だ。テレビで売れる人のわかりやすい「売り」になるフレーズやネタで笑わせるのではないので、これはもう舞台を見るしかない。関西であんまりウケない理由もこのへんにあるのかもしれない。(でも満員のお客さんだったけど。あ、中に結構方言の違う若者のグループもいた。おっかけて来たんだろうなあ。)
 最後の演目はそれまでのネタ全てが伏線になっていて、ラストは笑いというより、余韻で終演。実はこれ「銀河鉄道の夜」のパロディ。知的レベル、高いです。
 妻もものすごく楽しんでいて、実はそれが一番嬉しかったかもしれません。「ビデオで見た時は何かしながらでちゃんと聞いてなかったけど、『ここがこう繋がるか、て感じで凄かった!』」と言っていました。
 いやしかし生でラーメンズが観られるとは思ってもいませんでした! 本当にラッキーでした。