メンズブランド、モンブラン

 モンブランと言うとあの栗ののったお菓子を思い浮かべる人の方が多いだろうけれど、万年筆に凝ってる人だけはモンブランはイコール憧れの万年筆なのだ。
 そのモンブランが「万年筆屋」から総合的なメンズのブランドに変身しようとしはじめて数年になる。当然万年筆ひとすじという訳にはいかなくなり、万年筆を贔屓に思う人からは冷たい視線が集まりつつあった訳だ。そんな中にあって、モンブランの転身ぶりに理解を示し続けたのが東京品川にあるペン先調整の店「フルハルター」の森山さんだ。ところがその森山さんの店では、モンブランの商品を扱うことができなくなったらしい。http://members.jcom.home.ne.jp/fullhalter/montblanc02.html
 もともとモンブランの日本代理店勤務からキャリアをスタートさせた森山さんにとって、どれほど辛い仕打ちかと思うが、それすらも「良し」とする本当に太い骨の通った職人気質に改めて惚れ直した。強いて言うなれば、これは職人の一分。
 とはいえ、本当に東京に行けなくなった。ましてや新しい万年筆なんて・・・・。折しも雑誌「趣味の文具箱」新刊でモンブランの古いモデルを復刻した新作を見て「これを森山さんに調整してもらって使ってみたいなあ」などと実現しえない夢想をしていたのだが・・・・本当に実現は不可能なお話になってしまった。