映画「メッセージ」「ローガン」「ブラッド・ファーザー」

 「メッセージ」は原作も読みましたが、後半大きくストーリーを改変しつつも、原作の大事なところを尊重した理想的に良い映像化が成されていたと思います。
 言語が思考や感覚を規定する、というのは普段からよく喋っていることですが、「こういうことになるのか」と感動します。
 「ローガン」は、ジェームス・マンゴールド監督二度目の「ウルヴァリン」もの。前作「SAMURAI」のマンガ的世界も面白かったですが、今回はシリーズ全作を突き抜けたオリジナルな名作になっていたと思います。
 ヒュー・ジャックマンウルヴァリンを演じるのは本作が最後、というのはだいぶ前から伝わっていましたが、見事に「当たり役」にとどめを刺したと思います。
 「ブラッド・ファーザー」は、俳優メル・ギブソンの面目躍如。集大成といっていいのでは。どんなにすたれても、この青い瞳の愁いを帯びた輝きは変わらない。マックス・ロカタンスキーもやはりこの青い目あってこそ、と思ってしまう。
 原作小説の後半だけを映画化したようですが、「ローガン」もこの「ブラッド・ファーザー」も、現代アメリカとこれからのアメリカの暗部をえぐり取って描いていると感じます。いま問われるべき作品。
 監督メル・ギブソンにもものすごく興味があって、新作「ハクソー・リッジ」も観たいのだけど、この監督に評判の残虐描写に腰が引けて、まだ監督作はひとつも観ていない。ん〜。