売る方買う方
売る側が言いにくいことをよくぞ仰ったなあと思う。http://blog.goo.ne.jp/penandmessage/e/26385fb897ff39576d97d822cced3713
某国の方々の爆買いについては、例えば雑誌の電車吊り広告で紙おむつが買えなくなる、など真偽のほどはともかく盛んに言われています。国民性の違い云々があって一方的に叩くのも難しいでしょうが、ここでは売る方の倫理観が問われています。
企業にしろ個人店にしろ、生活がかかっているのですからよく売れるということを基本として何も問題はないです。でも企業には営利団体としての一面だけでなく、社会の中に担う役割りという側面もあることは当然自覚すべきです。それを企業倫理と言う。売れればそれでいいのか、ということです。
個人店であれば、扱っているものに対する愛情、それを愛好する買い手に対する愛情があっての営みだと思います。棚に並べた瞬間に根こそぎ買いあさってそれを転売するんだか何だか、とにかくそれを求めている他者なんてどうでもいいカネは払うんだいいだろう、みたいな買い方されて、平気な人はいないと思います。本当は。
そこでどうするのか。もうネットでは告知せず、お店に愛着を持って訪ねて来てくれる人に買って貰えるようにする、というのが吉宗さんです。一方で、出せば売れるならどんどん来い、という店もあるでしょう。
何を求めて仕事というものをしてるのか? という問題です。儲かりゃいいという人もいます。僕はそういう店とは関わらない。それだけです。
僕はバーが好きですけど、僕の好きなバーは例外なく、ウイスキーを愛し、ウイスキーを愛する客を愛しておられる。マナーの悪い客、他の客に不快感を及ぼす客は容赦なく排除されます。そんなことをしたらネットで何書かれるかわかったもんじゃない。でも、我が店の空気は自分が守るのだという矜持のもと、クールに暖かく店を守っておられる。
売る方にシビアな姿勢を求めるのは酷です。でも僕の好きな店は、販売店であれ飲食店であれ、例外なくそういうプライドを持って日々営んでいられる。だからしばしば足を向けずにいられないんです。