若い人も興味はある

 教室に万年筆を持ち込むと、生徒は寄ってきます。「書かせて」「書かせて」と、次々と試し書きしたがる。もちろん万年筆で字を書くこと自体初めて。
 で、「なんで万年筆がいいんですか」「ボールペンとどう違うんですか」という話になる。実はここで熱弁ふるいたいところですが、雑然としたその場でたいがいディープな話はできません。生徒もそんなに濃い話は求めてない。だからせいぜい「全然違うね」という程度で流れていくんですが。
 ただ「いいものはいい」というのは感じてくれるみたいです。漠然とでも。万年筆そのものは万人に必要な道具ではないですが、古臭くても面倒でも非実用面さえあっても、大事な世界はあるのだということを今はなんとなくでも感じてくれたらいいです。