ブランド

 長い独身時代に随分服を買いました。今は自分が着飾っている場合ではないので(しかし服装がどーでもええとは思えないので)、その当時に買い込んだモノを「遺産」として着回しています。問題はこの齢になって成長が著しく(主にハラまわり)、ズボンを中心に使いもんにならん物が増えてきたこと。あれだけ沢山あったジーンズがほぼ全て使いもんになりません。これは悲しい!
 しかし「いいもの」は、サイズの問題はともかく、やはり長持ちしますね。縫製も、デザインも。デザインはあまり流行先端を追うと古びるのが早いですが、〈形の流行より組み合わせで新しさを〉〈トラッドベースの柄・形を〉と考えることが多かったせいか、幸い今でも身に着けてそう不自然でないものが多いです。
 ニットのものは、天然素材ゆえ保管の悪さから虫喰いで穴だらけになったものもあります。ニットに限らず天然素材は管理に手間がかかりますが、そのぶん愛着も湧きます。
 某英ブランドに限っては、縫製も悪く、あっというまにほつれてしまったりして呆れ果てたことがあります。バーバリーは結構好きであれこれ持っていますが、そんなことは起こらないですね。
 まあ英ブランドといっても、ほぼライセンス生産の国内品でした。ところが、この度、バーバリー本社が日本の三陽商事に、ライセンス更新の許可を出しませんでした。これまで一貫して日本国内での企画・デザイン・生産・販売を手掛けていた会社ですが、もうできなくなります。
 ブラックレーベルとブルーレーベルはこの三陽商事が若者に手の届きやすい商品を、ということで生み出したラインでした。僕も随分お世話になった。
 いいものを作ってきただけに残念ですね。まあ本来ブランドものは庶民のものになっちゃいけないんで、バーバリーの判断(おそらくブランドの地位を高めようということだと憶測しているだけですが)は正しいんでしょうけれど。
 ブラックレーベル、ブルーレーベルは「バーバリー」の名とデザインを使わずに存続させるらしいです。僕にも手の出せるようなものが作られるなら、ちょっと応援したいです。