『シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム』

 面白かったですよ。あんまり批評筋よくないみたいですが。確かに難点もあって、まず何が起こっているかわかりにくい。画面が暗いのとスピードが速すぎる(もしかしたらカットが短い?)から。でもわざと一瞬しか見せずにおいて、それが後に伏線になって活きてくるという仕掛けも多かった。
 従来のイメージを覆すアクション主体の展開は前作同様。そういう作品と判って観ているのでそれについても不満は無し。ただ確かに、テンポが速すぎて推理や「裏をかく」応酬を堪能したという気分にあんまりなれないけれど、そういう要素がない訳では決してなく、あくまでテンポ重視の作りの結果。もうちょっと観客もじっくり謎解きに参加したいという気もするけれど、必死に展開について行こうとするので観終わった後は結構脳ミソ絞った感はあった。
 ラストのモリアーティとの結着の付け方がちゃんと原作への目配せがされてあって嬉しかった。兄ホームズも面白かったし、ワトソンとの友情の描かれ方も好感が持てた。時代のひと足先を行くテクノロジーがわんさか出て来るのも楽しい。銃器もいっぱい出て来るし。しかしモ○ゼ○まで!
 原作を知らない人も普通にアクションものとして楽しめるけれど、原作ファンも「あんなのはホームズじゃない」なんて言わずに一度ご覧になれば、案外原作愛に触れられるのではないか? と思うのですが。