やっと読破

 『ミレニアム』三部作、それぞれ上下巻で各500ページ強。全部で3000ページ超。これに約一か月かかりました。面白かった!
 ある面で「チーム・バチスタ」シリーズと似たところがあるなと思いました。ストーリーが、ということではないんですが。あのシリーズの作者は現役のお医者さんで、医師として現場で疑問に思ったり理不尽に思ったりしていることを次々とテーマにし、主人公は自身の理想像です。そういう構造が似ているのではないかと感じました。このシリーズの作者スティーグ・ラーソンはジャーナリストであり、ジャーナリストの目から見たスウェーデン社会の様々な歪みや問題点をたっぷり盛り込んで、おそらく作者自身の理想像たる主人公によってそれらにメスを入れていく。そういう作品であったと思います。モテるんだなまたこの主人公が。作者の早逝によってシリーズは三部までで終わってしまいましたが、存命ならまだまだいろんな社会問題に切り込んだんではないかと思います。もっと読んでみたかった。
 上記のような側面が強いので、大長編の作中には「これストーリーに関係ある?」と思うような薀蓄やら何やらもかなり含まれてますが、慌てず急がず、そういう部分も楽しんで読むのがいいでしょう。そういう部分を含んでなお、展開は緩まず、ページをめくる手が止まりません。

 さて、それでは映画化作品に行こうか。と思ったら、既に劇場では『ドラゴン・タトゥーの女』はほぼ上映が終わっており、上映館を減らして一日一回、夜の最終回のみの上映になっている。パンフレットも完売。これ、是非映画館で観たいのだけど、行けるかなあ。と同時に、既に本国スウェーデンで映像化が済んでいるシリーズもDVDで観たいのだけど。
 まだまだ楽しみは続く。