「ご冗談でしょう、ファインマンさん」岩波現代文庫(再読)

 リブラッチさんと紫さんが勧めて下さった本なら面白くないはずがないです。ノーベル賞物理学者の回想録、と言うと殊に理系苦手意識があったりなんかすると手を伸ばすのに躊躇しますが、こいつはお勧めです。語り口も軽妙ですし。
 破天荒といいますか、既成の概念・価値観に全く捕われない「永遠のいたずらっ子」とでも申しましょうか。実に痛快です。マンハッタン計画に携わる件が結構長いのですが、原爆を投下された国の人間としてはここは複雑な心境になります。無論かかわった科学者に咎がある訳ではありませんが、改めて原爆についての価値観がアメリカでは違うなあ、とは再認識しました。ここの部分も内容はものすごく面白いのですけどね。あ、日本と日本人についても書かれてますヨ。