今年の読書感想文は

 ちょっとレベルの高さを感じました。他の先生方から「いいのがない」「いいのがない」と聞かされていたから、構えすぎたのかも知れませんが。
 夏休みに入る前の授業で「感想文の書き方」という話をちょっとする訳ですが、これまではその話を参考にして書いて来てくれる生徒がまずいなかった。それが、今回は結構試してみてくれてるんですね。いろんな例を出すんですが珍しいところが「比較論」でして、原作と映像化作品とか、同じ作家の違う作品とか、共通テーマを持つ別々の作品とか。要は普段僕がブログで好んでやってることではあるんですが。今年は結構やってる子がいる。特に映画やドラマと原作の比較は、やってみると原作小説の方が細やかで突っ込んだ描写がなされていることが多いということに気づいてくれている。これは嬉しい。
 中でも感心したのが、東野圭吾の「さまよう刃」と「手紙」を比較して、そこから作者の持つテーマ性を見出しているというもの。これ実は授業で僕がやってみたら面白い比較の例として挙げたもののひとつなんですが、それをちゃんと覚えていて、しかも適切に読み込んでいる。これは素晴らしい! 
 僕の担当クラスに限って言えば、今年の読書感想文は全体にこれまでよりレベルが上がっているなと思いました。


さまよう刃」、映画化されたんですね。