白州大会

白州壮観

 バー・ハーバー・インにて白州の飲み比べ。出たばかりの「カスク・オブ・白州」2種、「ヘビーリーピーテッド」と「スパニッシュオーク・ボタコルタ」、そしてレギュラーの12年。白州はクリアな甘みから微かにスモーキーフレーバーが立ってくる。それがヘビーリーピーテッドは口に含むなりスモーキーな香りが広がってくる。逆にスパニッシュオークはシェリー樽の香りが甘く広がる、白州としてはかなり珍しい味わい。これだけ違うと僕でもハッキリわかる。〆にこの際だからとっておき18年をお願いすると、マスターが「NBAの19年はお飲みになりました?」と。僕はそんなの知らない。「じゃこれもハーフで並べてどうです?」というありがたいお言葉に甘えて、これもまた並べて出していただいた。NBA関西地区70周年記念のオーナーズ・カスク白州1987年は、とろりとした濃厚な白州。度数のせいもあろうがとても強い味わい。これはまたインパクト大! 18年の方は僕の大のお気に入りで、でも高価なボトルなのでバーでしか飲まない代物。とてもバランスのいい優しい白州。
 こうして5種類もの白州を一度に並べて頂くと、サントリーの懐の深さ、同じ白州でもかくも味わいが違うかと、改めてシングルモルトの面白さに唸る。と同時に、こうして一度に並べて飲み比べることによって逆に共通した「これが白州の味」というのもなんとなくわかってくる。どんなに個性をつけても白州の味わいというのがあるのだな、ということを感じる。日本のモルトが世界に認められるようになったのは、つまるところこういうところだと思う。