フランスでは

 数日前の新聞に、フランスではワイン離れが進んでいるという記事が載っていました。妙な話だなあと思います。日本では日本酒離れが深刻なんですよね。ワインの方はどうだか知りませんが、少なくとも僕の周りの感触では、日本酒好きよりはワイン好きの方が多いくらいに感じています。日本酒も好きな方は本当に大好きですけれど、相対数で見ると本当にマイノリティーという感じです。飲む方はほぼ焼酎をお飲みになりますね。若い方だとカクテルかチューハイか、ワイン。若者の間ではビールも今や少数派になりつつあります。世界規模的に考えるとさぞワインの消費量が多いんだろうなあと思いきや、本場中の本場フランスでワイン離れとは! 新興国のワインが安くてレベルもアップしてきている、という事情もあるようです。それからフランス国内での伝統的な制度・格付けが手軽な新しいワインの台頭を妨げている、とか。その代わり高い品質は保持されていると思うのですが。同時に高いお値段も保持されているということでしょうか。
 お酒って不思議とどんな国・文化圏にもあります。当然その地の風土・文化が生み育んできたものです。それが見離されはじめているというのが世界共通の傾向であるとするなら、これは一体どういうことなのでしょうね? 酒類に限ったことではないと思うのですが、消費の傾向はより高価なものへ向う波とより安いものへ向う波とに二極化が進んでいると思うんです。無論大勢が安い方に目を向けるようになるのは自然のこと。「いいものは残って行く」ということを信じたいのですけれど、その確信は持てなくなってきています。話が大きくなりましたね。