犬の散歩の方へ

犬の散歩

 僕自身かつて犬の散歩者だった訳で、あの犬の散歩というのは毎日とっても面倒くさいものであり、毎日無類の楽しいひとときであることはよく承知しているのです。でも陥りやすいことがある。
 いつも出勤時駅間際の公園を自転車で横切ります。公園と言ってもちゃんと舗装道が貫いていてそこを通る訳ですが、ちょうど朝の犬の散歩タイムと重なるのですね。多くの散歩者が、散歩者同士のお喋りや連れている犬の方に夢中になってて、ひとが通るということから意識が遠のいてしまうのです。とても通り難い。通行者が来てる、そして明らかに犬が邪魔になってると判っていてなお避けさせる意志がない、という方も少なくありません。中で一番困るのが、リードを離してしまっている方。ものすごく気の荒いミニコリーがいまして、どの通行人にもけたたましくほえかかる。それも猛烈に走り寄って行きながら。僕も何度自転車に併走されて、足に喰らいつかれそうになったか。前に回り込もうとするので、挽いてしまわないかともひやひやします。飼い主は大きな声で犬の名を呼んで呼び戻そうとはされるんですが、そんなの素直に聞く犬ではありません。あんな放し飼いなどしたら言うことをきかない犬になるのは当たり前。こんなことがしょっちゅうあるのに、手放しの散歩を改める気は全くないようなのです。僕のように犬が好きな人間でもあれは少し怖い。ましてや犬がお嫌いな方だっていくらでもいるでしょうに。
 かわいさあまって我が物顔になってしまうのですね。気持ちがまったくわからないではないのですが、どうか愛犬の散歩は少なからず周りに迷惑をかけるものなのだ、という意識を持って欲しいと切望します。