言葉

http://d.hatena.ne.jp/libra55/20060922/1158918272#seemore
こちらすごく考えさせられました、改めて。
好きな詩があります。

 「言 葉」
演奏を聴いていなくても
人は
♪を耳の奥に甦えらせることができる
言葉にしなくても
一つの考えが
人の心にあるように
むしろ言葉に記すと
世界はとたんに不確かになる

私の「青」
はあなたの「青」なのだろうか?
あなたの「真実」は
私の「真実」?
          (詩集『祝婚歌』より)

言葉は無力。でも、伝えきれないからこそ、表現しつづけたい。そんな想いが溢れるような詩です。絵でも音楽でも同じかもしれません。たちどころに思う様の表現ができてしまうのであれば、一体誰が表現に一生を捧げるでしょうか。それは、芸術家だけのことではないと思います。
僕は、「表現しようとする思い」こそが、思いを人に伝えるのだと思っています。だから必ずしも見事な演説やスピーチが人の心を打つとは限らない。弁舌爽やかな政治家の演説より、結婚披露宴で急に振られた友人のへろへろのスピーチの方が遥かに心を揺さぶるわけです。
語ろうとするだけの人、というのが確かに居ます。自分が、自分が、という人。そうではなくて、人に寄り添おう、という人もいます。libra55さんの仰るのは、そういうところかな? 僕のわかってない、個人的な想いが背景にあるようなので、偉そうに意見するつもりは全くないんです。ただ、文章を読んでいて勝手に連想されてきた僕自身の言葉についての思いを書いてみました。
書き手の思いから独立して、こうしていろいろに波及するエネルギー、これもまた言葉の力ですよね。