映画「マッチポイント」

スカーレット・ヨハンソンいいねえ

 持ち帰りの仕事が山積みだけど、意地で観に行ってやった。今日が関西公開初日。
 あらすじについて語りませんが、核心にはいきなり触れてしまいますので未見の方はご一考を。
 こんなことを書いたら「アホぬかせ」と云われると思うのだけど、僕のまわりでは映画ファンという人でもウディ・アレンを知らないという人が多い。そんなことってありえるのか、と思うのだけど。齢70にして撮ったこの作品が、もしかしたらアレン作品をメジャーにするのかも知れない。彼がイギリスで映画を撮ったということも知らなくて驚きだったが、作風も表面的にはいつものアレン節を封印して、あくまでシリアスに仕上げている。上映時間も2時間を越す(無論これまでにもニューヨークから出た作品はあったし、シリアスな作品もあったことは承知してますが)。しかしそれ故、この監督がいかに緻密であり、奇をてらわずに「絵」に完璧を期す作家であり、俳優を活かす演出家であるかを再認識させられる。その上で、やはりこのどうしようもなく知的で皮肉に満ちた作品はやっぱりアレン作品である。批判される口調まで、「結局主人公はアレンの代理でしかない」という言われ方だ。
 所詮人生「運」次第なのだ、というメッセージ。ストーリー自体は目新しいものではないが、この説得力、そして最後に用意されたある意味「どんでん返し」と皮肉は、見たことのないものだ。結局彼は勝ったのか? 答は誰にも明白。怖い映画だ。


 さて返りに山本酒店に寄って参りました。まだお酒が飲めないというご主人ですが、見た感じはお元気そうでとっても嬉しかった。入院体験さえも前向きに捉えられるご主人。早く全快されて、また一度松林にでも参りましょう!