アイリッシュも(酒噺①)

初めてのアイリッシュ

いとこがアイルランド人と結婚していたことがありました。結婚を親戚に披露する宴席で一度だけ会ったことがあり、結構延々お喋りできたのは、ひとえに彼が日本語堪能だったからです。彼は日本酒をちびりちびりやりながらも、やっぱり酒はウイスキーだ、それもアイリッシュウイスキーに限る、と言いました。その頃僕も洋酒に手を染め始めた頃だったように思いますが、まだアイリッシュウイスキーは飲んだことがなかった。彼は、今度会う機会には何々という銘柄のアイリッシュウイスキーを持って来るよと言ってくれました。残念ながらそれ以来会う機会がありません。
雑誌に取り上げられていたので、レッドブレストというアイリッシュを買ってみました。本で紹介されていたのは15年ものでしたが、これはあまり流通していないようで、三宮の頃末酒店http://www.korosue.com/index.htmにあった12年ものを買いました。アイリッシュはスコッチと違って麦芽の乾燥にピートを用いないため、当然のことながらあのピート香がない、と聞いていました。アイラモルトタリスカーのようなものに魅力を感じる向きとしては、どうも物足りないというイメージがあり、アイリッシュは敬遠していました。クリストファーからアイリッシュの魅力を語られてから何年経ったことやら、未だアイリッシュ未経験だった訳ですが。このレッドブレスト、フレーバーも旨みも申し分ない。確かにピート香はありません。が、すっきりしているのが「物足りなさ」とは感じない。奥行きがあります。この甘みもいい。15年が飲んでみたいですねえ。
今ならクリストファーと、アイリッシュウイスキーで語り合えるのになあ。(また暫く酒の話が続くと思います。)