「魔女の1ダース」米原万理

魔女の1ダース

これもえらく感想を書くのが遅くなってしまった。
エッセイ集なのですが、筆者米原万理さんはロシア語の同時通訳者です。
価値観が次々と覚醒する。とでも言えばいいんでしょうか。「そう、そうだよ!」「あ、なるほどうまいこと言う!」そういう驚きのオンパレード。厭味も下ネタも満載なはずなのに、全体のイメージは極めて上品で知的。人間の価値観の、いかに相対的なものであるかということを仰ってるんだが、まあ出て来る話の恐ろしく幅広く知的でバカ面白いこと!
価値観と価値観の激突ですもんね、同時通訳の場って。それも筆者が経験してきているのは首脳会談も含めた最高の修羅場。人のものの見方考え方がいかに一面的であるか、ということをこれでもかというほど思い知らされます。必読です。これは新潮文庫から出ていますが、新潮の他にも講談社などからも文庫が出ているようです。きっとどれからでもいいんだと思う。是非是非一度読んでみてください!