修学旅行 2日目

雪の中のホテル

 スキー講習が始まる。ホテルの人も「この時期でこれだけ降るのは珍しい」と仰るほど降り続け、積もり続けている。ビデオを回したいが降り続ける雪の中、思うようにいかない。
 見ていると結構いきなり滑らせ始めている。我ら一行に実は競技スキーのトレーニングをしているくらいの達人がおり、彼に言わせると今回のインストラクターは全然なってないらしい。ただ僕自身の場合もそうだったが、滑ればそれなりいけるもののようで、しょっぱなから生徒もなんとか滑っておる。やはりこれは上達早そうだ。
 僕もスキー板を取りに戻って初心者コースを回ってみることに。しかし「かろうじてコケない」程度の僕は、あちこちでひっくり返ったり暴走したりする生徒だらけのコースはとても怖い。まだちゃんとコントロールできないから、道が空くまで隅で待っていないといけない。ビデオ撮影のために立ち止まっているフリでごまかしつつ、なんとか2周。もうバテた。
 午後からはホテルロビーの一角に陣取って「本部」なるものを設置しておるからそちらに詰めていた。
 体調を悪くする者もいないではないが、大きな怪我も病気も我儘もなく講習1日目はアッという間に終了。
 夕食後はいよいよ明日に迫った全体レクのために修学旅行委員、有志チームと打ち合わせ。伝言ゲーム班が何にも準備できていないことが判明。最低限の手配を指示。失敗すればそれもよし、と思っている。とにかく限りなく連中の自力でどこまでやれるか。
 僕の位置付けは「裏方の裏方」である。これはいつものこと。修学旅行委員指導主担の先生は他にいる。僕はレクリエーションだけ担当。子ども達を主担から引き継いだ時点で時間も余裕もない状態だったから、自分自身納得のいく指導はできていない。生徒の力不足のせいにはできない。けれど、その範囲でどれだけこの子らの自力勝負で企画全うできるか。幸い去年担任していたMがひとり奮闘して生徒をまとめはじめてくれている。彼女の愚痴を聞きつつ、なんとかここまで来ている。さあ、明日はどうなるかなあ。