映画「オペラ座の怪人」

セクシーすぎやろ

 同僚のテラさんが絶賛していたので観てみることに。アンドリュー・ロイド=ウェバーのミュージカル版を映像化したもの。
 事前にきいていた話でイメージしていたのと大体一致する感じだった。「悲恋」に重点をおいた作りだ。
 せっかく映画にするんだからミュージカルスタイルは捨てて、もっとキャラクターの感情表現に腐心すべき、という批評があるようだが、こいつはロイド=ウェバーが自身のヒット舞台を映画として残しておきたくて制作してるんだから、そんなこと言ったってしょうがない。これまで数知れず映画化されてきた小説なんだから、こういうのもあっていいだろう。それに、僕も映画のミュージカルはあの突然唄いだすのがどうにも不自然であまり好きじゃないのだが、こいつはとにかく殆どずっと歌い続けてるので、すぐそれに慣れてしまった。ただやっぱり問題は「歌えればいい」ってもんじゃないということ。ファントムは反則と言いたいくらい男前でセクシーで、「こんなんアリかい」と思うほどだったが、一方で歌声は魅力的とは言い難かった。なんで役者本人が歌うことに固執したんだろう。映画だぞ、これは。オードリー・ヘップバーンが歌を吹き替えていた「マイ・フェア・レディ」は名作と言われておるがな。
 それから、ファントムの過去を描くというのが映画オリジナルのアイデアらしい。そんなことしたらファントムの神秘性が損なわれるだろう、と思ったが、最後を見るとファントムの人間性を強調したかったようなので、それならば過去の描写は効いてくるなと思った。
 一番最後の「バラの演出」これも映画オリジナルのものではないかと想像するのだが、あれはよかった! ハッとした。監督はこういうちょっと少女漫画的な趣向がよく肌に合うのではないかな。
 ともかくあのテーマメロディが頭から離れなくなってしまっている。舞台オリジナルバージョンと聴き比べてみたいなあ。