本 「炎立つとは/むかし女ありけり」
福本邦雄、講談社。
近代から現代の歌人の話を綴った雑誌連載をまとめたもの。下手にまとめるより帯裏の文章を読んでいただいた方がわかりやすかろう。(以下)
表題は、臨終の妻が今生の思い出に炎立ち=勃起し、貫徹することを夫に願う、吉野秀雄の挽歌
これやこの
一期のいのち炎立ち
せよと迫りし吾妹よ吾妹 より。
二十六歳で逝った啄木から土屋文明百歳の絶唱まで 短歌は吐息のようにふっと呟く
恥多き心情の吐露。
どうです。読みたくなるでしょう。
僕自身今日買って、まだ1/3ほどしか読んでいないのですが、ひとつひとつのエピソードのあまりの哀切さに惚けてしまっています。
人間というのは・・・・やるせないが、いとおしい。
まだ新刊です。読むべきだと思います。