東洋陶磁美術館

せなあかんこと結構あったのに、ふらりと中ノ島にある東洋陶磁美術館へ行った。だいぶ前に行ったことがある。朝鮮半島の古い青磁白磁が多数所蔵されている。僕は映画『利休』『本覚坊遺文』以来、ちょこっとだけ茶の湯、茶碗に興味があったが、磁器はそう美しいとも思っていなかった。それが、ここで古いたくさんの青磁白磁を見てから「これもいいな」と思うようになった。
ここはとにかく客がいない。静かである。それが一番の目的である。入館料500円でこのしっとりとした空間が5時まで我が物である。まあ、こんな贅沢なる暴挙はそうできるものではない。僕も初めてやった。
ボケッとしている処に、昨日会ったヨーコと同期のかずきちからメールが来た。ついに大学に受かったという報せである。苦節2年、ついにやったな! もしかしたら本人にとっては不本意な学校なのかもしれない。実は僕自身が進学したとき、そうであった。京都のO大学は、自分では楽勝、と思っていた。本命の大学に受からず、しかし浪人する気はサラサラなかったからO大に進学したが、今思うと恥ずかしながら、当初はこの大学の名を口にするのも羞じていた。しかしここでの4年間が今の自分を形成した。友人、そして師に恵まれた。かずきちよ、メールでも少し言ったことだ。要はお前次第だから。友達と師に大人物を見出せ。必ずいる。そして喰いついて、大きくなれ。僕自身の経験で言うなら、多くの年上の友人の中で、浪人時代を「楽しかった」と言うか「最悪だった」と言うか、これがその人物のスケール・面白みと正比例しておったぞ。お前はどうかな? 楽しめよ、そして学べよ。ここまで支援してくれた家族と友人に感謝せよ! 年下の同期生やら年下の先輩、なんてのも当然居るけれども、その中でお前のキャラを最大限に発揮するのだぞ。いかん、こんなトコで担任やっとる・・・・。
静かなる東洋陶磁美術館。ここでは朝鮮半島、中国、日本、そしてベトナムなんかの磁器を見ることができるのだが、時代による変化とともに、同じ磁器でも当然国が違うとこんなに違うものか、と面白くなる。単純な淡彩の絵付けなのにね。色も全然違う。自然光で観る国宝の茶碗もあるよ。一度ご一緒しませんか。ご案内しますぞ(知識は全然ないけどね)。