山本酒店に行く

山本酒店、飲み比べ大会

おりえとその彼氏サンをお連れして、山本酒店へ。
この日記始めてから山本さんとこに触れるの初めてだからまず説明を。
福岡の友人がある時佐賀の酒「東長(あずまちょう)」を送って来てくれた。旨かった! しかしこっちでは売ってない。関西で扱っている酒屋が2軒だけある、と、友人が地元の酒屋さんから訊いてくれた。その一軒が、尼崎杭瀬にある山本酒店だった。訪ね当てて、以来通うことになった。日本酒ばかり飲むようになった。
ここは、直接付き合いのある4つの蔵の酒しか置いていない。先述佐賀の東長、新潟の「あの」越の寒梅と米百俵、そして地元灘の大黒正宗。一番好きなのが大黒だ。先の福岡の友人もこれがすっかり気に入ってしまい、「東長より旨い!」と大絶賛。
もちろん扱っている酒が良いというのもあるが、それ以上にいいのはご主人山本さんである。とてもとても人好きな方で、そしてお酒が大好き。酒屋さんは職人さんではないが、扱っているものに対して愛情と自信を持って仕事をしておられるという意味で、蕎麦の松林さん、ペン先調整の森山さん、また靴屋ネスタのご主人と共通のものを感じる。そういう方のお話を伺うのが大好きだ。生来内気な僕だが、最近は「この人」と思うひとには勇気を出して声をかけるようにしている。山本さんはもともとお客さんを大事にされる方だが、本当に今ではいろいろな話ができて楽しい話し相手になっている。山本さんも学校の教員の話、というのをものすごく面白く思って聞いて下さる。
どう「お客を大事にする」かと言うと、まあお話も勿論面白いのだが、むちゃくちゃ気前がいいのだ。どんどん品物を味見させてくれる。サラの瓶を開けて「まあ飲んでみてください」と仰る。例えば違う蔵の大吟醸。あるいは同じ蔵の酒でも違う商品。同じラベルの酒でもこの冬出したのと去年のと。そうして比べ飲みしてみると、びっくりするほど違うものである。「いいわるいじゃなくて好きか嫌いか」と仰る。安い酒でも気に入ったのがいい酒だ。本当に商売する気があるのかというくらい気前よく高価な酒をふるまい、高いものより安いものを勧めてくださる。行くとまずお茶が出るようなことに最近はなってしまっている。
おりえの彼氏が日本酒好きと聞いて、ひとにものをあげるのが好きな僕は喜び勇んで大黒の原酒をおおくりした。気に入ってくださって、ここの日記に書き込みを早速してくださった。のみならず、ふたりそろって今日はお店に来てくださった。当然のように、店先は写真のようにオールスター試飲合戦のようなことになってしまった。おりえは酒だけでなくここで扱っているみりんや醤油に惚れてしまった。これも当然のように味見をさせてくださる。さすがにいいものを扱っておられる。
おりえに会えて、彼氏を紹介してくれて、しかも僕の好きなご主人の店に来てくれて気に入ってくれて。こんな嬉しいことはない。とても幸せな気持ちである。

おりえの日記にも書いてありました。視点がまた違っておもしろいです。是非同じはてなダイアリーの0riemonに飛んでみてください。