雑感

 年賀状や中元・歳暮などの儀礼的なものは排していこうという考えは広まっていて、それは全然かまわないと思っている。むやみにめでたがらないといけないという同調圧力は嫌いだから正月でも普通に過ごそうという考え方も実は昔から言う人はいて、有名な「去年今年貫く棒の如きもの」なんて句もある。
 でも、そういうライフスタイルを誇示して昔ながらのやり方を見下すとなるとどうか。年賀状なんてものをいつまでもやっている人はヤボで迷惑、と言う必要はないじゃないですか。正月も二日以降もだらだらしているのは日本人だけだと自身が普段通りに過ごすのは大変結構だけれど、それで正月のんびりしている人を批判して、同じコミュニティの人たちにも業務を継続することを促すのは、それはそれで別の同調圧力ではないのかな? 普段あくせく働いていると批判される日本人が正月休みにのんびりするのもひとつの文化だ。そこでしか帰省できない人もいるし、仕事を離れて家族と過ごす稀少な時間だと言う人もいるだろうに。
 自身の独自なライフスタイルを是としたいなら、人のライフスタイルも尊重すべきではないのかな。という批判こそ「正論ってつまらないよね」と嘲笑したいのかもしれない。敵が多い変人を気取ってそれがカッコいいと思う人もいると思う。でも独自のライフスタイルはカッコいいが、それをもって人を見下した途端、むちゃくちゃカッコ悪くなるだけだと思う。周りを見下さないと自分の独自性を誇示できないというのは、悲しいと思うのだけど。周りも不快にさせるし。