誰にでもできる仕事

 今日は年寄りの愚痴みたいな話。
 誰でもできる仕事、仕事とも言えんような仕事ってあります。
 部屋で共用のポットの湯が減ってるなと思ったら継ぎ足すとか。ゴミ箱が一杯になってるなと思ったら捨てて来るとか。
 こんなんできない人なんていない作業ですが、する人は常にしてるし、しない人は絶対にしない。
 一般企業などでは、そういう仕事はまず一番若手のぺーぺーがやるもんだ、と、人より早く出社して掃除から始め仕事をする環境を整えて先輩たちの出社を待つ、というように指導されるのでしょうが(今や一般企業でもそんなん時代遅れ?)、この業界では誰もそんなことは言いません。言われなくたって考えるやろ、なんて言うと、若い人から煙たがられるのでしょうね。早い時刻に出勤される若手って、確かにものすごく少ないものな。
 以前小部屋にいたとき、そういう仕事を率先してなさっていた方が配置換えで大部屋に移動になったとき、若手をそっと集めて、そのような指導をされたようです。年度のはじめのうちは、頑張って早めに出勤しようとしてはったので健気やなあと思いました。
 我々にも日直という仕事があります。二人一組。そんなのも、ほぼなさる気のない方もおられますなあ。暑い時期だと独りでやると半時間くらいかかるんですよねえ。
 M先生は、僕より年上の方ですが、毎朝一番早くに出勤なさって、大部屋の明かりをつけ、パソコンすべてを立ち上げ、4つあるポット全てにお湯を満たし、小さなゴミ箱のゴミをまとめてゴミ捨て場まで持っていかれます。僕も早くに出勤できれば一緒にさせて頂きますが、まるでご自身の仕事で手を煩わせるかの如く恐縮されます。僕自身新採用されてからどこの職場に移ってもそのようにしていました。いつまでも気分はぺーぺーやし。だ今は妻や子が起きて来るか来ないかで結構出勤時刻に幅が生じるため毎日はご一緒できません。すごく申し訳ないです。
 こういう方を僕は尊敬します。専門業務の能力とは一切関係ないですけど、いや、本当に関係ないのかなあ、とも思います。特に、人の心に大きく関わる仕事をさせて頂いているので。