書く想い 伝える想い

 Facebook内グループ「万年室 ペンpen草」(主催はデザイナーの神谷利男さん)による企画『nive letters 万年筆で書きたい27の手紙』。そのエッセイ集が手元に届きました。
 万年筆が好きな皆さんの集まり。「万年筆で書きたい手紙」というテーマで作文し、本にする。併せてその直筆作品で展覧会を開く。なんて魅惑的な企画! 自分なんぞが、という思いが強くぎりぎりまで参加するかどうか逡巡しましたが、せっかくの機会と思いきって参加。
 Facebookでは告知させていただいた展覧会も結局一度も行けず。引っ越しも含めあまりに忙しい時期に重なりました。せっかく新しい出会いの機会でもあったので残念でした。搬入・搬出もすべて他のメンバーの皆さんに「おんぶにだっこ」状態で、本当に申しわけない思いで一杯です。展覧会も終わり、出展原稿と一緒にエッセイ集も送られて来ました。とても丁寧な一筆も添えられており、感謝感謝です。

 ところで作品ですが、前述のとおりテーマは「万年筆で書きたい手紙」。万年筆についてでなくていいですよ、という言葉もあったと思います。だからこそ思い切って参加に踏み切ったという部分もある。ですが、実際にはやはりほとんどの方が、万年筆の魅力、手書きの魅力について語っておられます。(若い人の表現で云う)マジレスのようなことやらかしてるのは僕くらい。お恥ずかしいの上塗りです。何の疑問もなく息子への二通目の手紙を書き、それをそのまま原稿としたのですから(実際、手元には息子宛ての同文の手紙を持っています。いつ読ませるのかは僕にもまだわからない)。
 ですから僕の文章はともかく、他のみなさんの作品は、書くことへの想い・伝えることについての想いで一杯です。読んだらきっと自身でも何か書きたくなる。手紙を誰かに出したくなる。とても魅力的な本になっています。結構何冊も分けていただけたので、ご興味あれば是非読んでみて欲しいです。
(ほぼ同時期にpen and message.さんの企画もあり、そちらにも参加させていただいているので、これもまた完成が楽しみです。こちらはドストレートなテーマ。一番好きな万年筆について。)