艶っぽいグラス

 グラスというやつも不思議なもんです。おんなじように見えてもそれぞれニュアンスがある。手入れをするほど輝いてくるし、保存が良ければ相当古いものでも現行品と見紛うばかりの状態でいる。革や材木などの経年変化の味とはまた違った魅力です。
 バー・オークス・ドラムさんのフランス土産のグラスはおよそ100年前のアンティーク。脚の様子など、現行品にない造形だと思います。これを惜しげなく使わせて下さる。
 バー・ハーバー・インさんのテイスティンググラスは職人さんの手作り。三脚あって遠目に同じでも、それぞれ脚の太さや胴のふくらみ加減が微妙に違う。口に当たる部分がとっても薄く、ウチにある同じような形のグラスで飲むのとは雲泥の差。なんとも色気のあるグラスです。
 サンボアさんのハイボールのグラスもいいですよね。底部の親指が当たるポイントに絶妙なカットが入っているのがたまらない。

 ずっと欲しいなあと思っているのは、バーボンを飲むときに出して貰う、あの肉厚なショットグラスです。ものすごく分厚くて持ち重りするのに、ふちはスッと薄くなってる。こういうのは売っていない。作ってもらうか、骨董を見つけるしかないそうです。