sake shop sato

 バー・メインモルトさんやオーガスタさんでしばしばその名を伺う酒店で、つい最近の「ウイスキー・マガジン・ジャパン」でも紹介されていたお店、sake shop sato。http://www.sakeshop-sato.com/home.htm
 実は以前住んでいた家のすぐ近所。ところが住んでいる時分にはその存在を知らなかった。なんでだろう? 大学生の頃は友達に教えて貰った吹田の酒屋まで、わざわざ自転車漕いで行ってありきたりのバーボンなどを買っていたものだ。ここなら歩いて来れたのに。ただ置いてあるものの値打ちにはどっちみち気づかなかったろうけれど。
 今日はクラブが済んでから思い立って訪ねてみた。懐かしい阪急宝塚線岡町駅。十数年ぶりなので随分変わっている。とはいえ幼い頃隅々までチャリで走り回った地域だからなんてことはないだろう、と思ったが、断片的には見覚えのある風景・町並みばかりなのにそれが不思議とつながらない。方向はわかるので迷いはしなかったけれど。
 たどりついてみると、そこは一見ごく普通の町の酒屋さん。大きくもない。躊躇しながら入ったが、しかしそこに展開されていたのはウイスキー好きには正にパラダイス。いや知らない人の目にはごく普通の酒屋に見えるだろう。しかし店の棚のあちこちに、希少なウイスキーがランダムに並んでいる。最前列の影、うしろ二列目三列目にどんなお宝が隠れているか、確認しきれない。イチローズ・モルトがふつーに勢ぞろいしているし。こんなことなら、わざわざ東京の酒屋にネットで注文しなくてもええやん。
 「優しいお母さん」という感じの方がすぐに察して「ウイスキーですか? どうぞ鞄はそこに置いといて下さい」と言って下さる。食い入るように眺めていると男性が出てこられて「気になるのがあったら言って下さい」と仰るので↑のような話を申し上げた。「今日もついさっき後藤さんが来られてましたよ」とも。後藤さんというのはメインモルトのマスター。しまった、邂逅しそびれた! 
 いろいろ珍しくて比較的安価なものを出して下さって、迷いに迷った結果選んだのが、ボトラーズの「ファイナルドロップ バーンサイド 1990年」、同じくボトラーズのサマローリのクライヌリッシュ1995年。そこにオマケとして試飲用サンプルの「ディスティラリー・コレクション クライヌリッシュ1982年」というのを下さった。なんて素敵な! 以後、ここは来ることにしよう。また見覚えのある町並みを、来る時とは少し違う道筋で駅まで戻った。
 いま上記の「ファイナルドロップ バーンサイド 1990年」を飲んでいる。表記はないけれど中身は「99.9% バルヴ○○○+グレンフィ○○○○」とのこと。派手さはないが穏やかで飲み飽きない、いいお酒。家飲みにぴったりやん。勢いづいて結構な長文になってしまった!