「配達あかずきん」大崎梢(創元推理文庫)

 本屋さんの店員が謎解きをするミステリ。と言っても殺人事件が起こる訳ではない。曰く「日常の謎派」というフレーズがあるらしく、この作品もその一派と目されているそう。5つの短編から成り、中にはあわや殺人に結びつかん、という危ない出来事もあるものの、基本的には書店の日常の中で物語が展開される。ミステリとしての謎解きの醍醐味という観点からは「もうひとこえ!」と思うかもしれないが、本屋が舞台であり、書店員が主人公というのが、珍しくもあり何とも本好き本屋好きには堪らない。
 副題に「成風堂書店事件メモ」とあり、シリーズ化もされているようなので、続編も読んでみたい。これを薦めてくれたのが大学時代の友人で、僕を映画好き・ジャズ好きに導いてくれたぼのちゃん。ぼのちゃんありがとう! あの時薦めてくれた他の本も、もう買ってあって順番待ち状態。次も楽しみデス☆