映画版「銀河鉄道999」と「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」

 懐かしいものを観ました。
 言わずと知れた名作です。1作目を中学生のときテレビで観ていて、横で一緒になって見てた父が「いい映画だな。バカにできんな」と漏らしたのを誇らしく思ったもんです。
 しかし最近、若い方のレビューで感動できなかったというものを読みました。まあ古い作品でアラも多く少年向けなのでセリフやナレーションに若干陳腐な部分もあるのは確かです。それ以上に、当時の世代の我々は、原作及びテレビで進行中だったアニメとを背景に置いた上でこの作品(1作目)を観ていたのだと思います。映画だけですと、長いストーリーのダイジェスト版という印象は拭いきれず、最後の別れも長いときを共にして来た人との永遠の別れという感慨を抱くには展開が速すぎたと感じるかもしれません。その意味では同時進行的に体験できた者の、これは宝物であるのかも知れません。特に少年にとっては。
 1作目は少年の冒険物語、成長譚としての要素が強いまとまり方をしていたと思います。2作目に、より「限りある命を生きる尊さ」というテーマ性が強調されていました。ただやはり2作目はストーリーそのものが1作目の繰り返しで必然性に疑問を感じる部分も多く、完成度はかなり1作目に劣るのはムリからぬことでしょう。音楽もテレビシリーズから続投して前作映画を担当した青木望氏のスコアが思いのほか作品世界の完結に欠くべからざる要素だったことを感じました。2作目は随所にジョン・ウイリアムスっぽさが加味されていて今観ると微笑ましくもあるのですが、冒頭999が地球を離脱する場面の「スーパーマン」そのまんまの前奏はちょっといただけませんでした。ストーリーそのものも、この1作目2作目公開とほぼ同時期の作品であったスターウォーズから明らかに影響を受けていましたね。特に主人公の青年と父との物語という側面。
 小理屈をこねましたが、実際には細かいことみんなふっ飛ぶくらい懐かしさに浸って大満足だったのですが。1作目ラストの交響楽からゴダイゴの歌にかけての音楽がずっとアタマを巡っています。原作を読み返したくなってきたな。原作の結末を読んでいませんし、新連載のエターナル編も読んだことないし。

これはテレビのオープニング・エンディング