「ウルヴァリン X−MEN ZERO」

 過日休日出勤するも予想外に生徒が早く帰ったので、思いがけず観に行く機会を得ました。
 ひとことで言えば、「面白かった! でも何故かあんまり残らない」です。
 相変わらず映画の情報漏れが激しすぎて、今回は意識して自分でシャットアウトしてたつもりなのに意外なところからあれやこれやを知ってしまい、本編での驚きを味わえなかった要素がかなりありました。これ本当にどうにかならないんですかね? あのテレビCMだって、おいしいところ露出しすぎですよ。
 まあそれは映画自身の責任ではない。シリーズにつながるポイントがあちこちにちりばめられていて、思わずニヤリとさせられる要素がいっぱいあり、そういうところはすごく楽しめました。もちろんアクションはすごいし、軸となるウルヴァリンと兄との確執は、終盤の粋な絡みも併せてとても良かったと思います。ストライカーも良かったですね。ただ、たくさん出てくるキャラクターたちが皆描き方も活躍も弱い。物語の核心の「闇」の部分は面白いのだけどもう一歩掘り下げて欲しい物足りなさもあり。ただこれに関しては、ダークにせずもっとアクションに徹して欲しかったという意見もあるようです。なかなか万人を満足させるのは難しいんですね。でもやっぱりこのシリーズの個性は、シリーズ1、2作の作風にあったのでは。「監督が違うからな・・・・」だけにはしたくないのですが・・・・。現に、本作の監督は本来人間を描くのが得意な力のある作家のようですし。
 スピンオフシリーズはまだまだ続くようですね。前の第3作ラストは次のスピンオフ「マグニート」への布石、本作のラストは更にその次の「デッドプール」への布石となるのですね。ぬかりないです。