映画「未来を写した子どもたち」

 この作品は、インドカルカッタの売春街に暮らす子どもたちを取材したドキュメンタリー映画ですが、なんと2005年!のアカデミー賞で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞していた作品です。日本でやっと今になって公開に漕ぎ着けたのは、この作品の価値を認めて地道に活動して来られた評論家やファンの方々の努力に拠ります。僕はこちらで以前読んでから強く惹かれていました。どんな内容か、是非ご一読下さい。http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20050307そしてこの作品の啓発をご自身のブログで粘り強く続けておられたたろへさんのお陰で、僕も見逃さずに済みました。mixiご覧になれる方はこちらも是非。http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1039371473&owner_id=2177369&comment_count=10
 生まれた時から売春街で暮らし、生活苦から子どもらしい生活も学校で学ぶ機会も与えられず、自身ももうすぐ売春に身をやつす運命にある子どもたち。と書くとどれだけ重苦しい作品かと思われるでしょうが、とんでもない。観ているこっちが救われるような気持ちになるくらいです。カメラを与えられ、「表現すること」を知った彼らは人生が変わって行きます。無論三文芝居ではありませんから厳しい現実が立ちはだかりますが、8人の中の一人は実際飛びぬけた才能を見出され、そちらの道に一歩を踏み出すまでに至ります。
 いろんな事を考えさせられます。世界の子どもを取り巻く現状は勿論ですが、この「表現すること」「芸術」といったものが、如何に人間にとって大切なものであるか、ということも、改めて教えられました。この作品については、教員として日本の子どもと接している者の責任として、何らかの形で生徒には紹介して行きたいと思っています。
 映画を観ること、そして子どもたちの撮った写真の(びっくりするくらいの、その作品としての価値の高さ!)ポストカードブックを買うことが、ほんの一部であれ本作が設立した基金を通して役立てられます。僕もポストカードブックを買いましたが、劇場(梅田ガーデンシネマ)に置いてある最後の一冊でした。もう今週金曜日で大阪での公開を終わってしまうので、紹介するには遅きに失したのですが。