ビンテージ ベンリアック

年代物のベンリアック集合

 年代が明記されたベンリアックで言うと、84年というと相当なヘビー・ピーテッドだ。それこそ黙って出されたらアイラモルト? と思うくらい。それでも飲み込んだ瞬間に広がるフルーティさはまぎれもなくベンリアックだ。
 バー・メイン・モルトのマスターが教えてくれた通り、75年のモルトが中でも白眉。シグナトリーの75年も相当いい。濃い甘味と香りがとてもスムーズ。ところがオフィシャルの75年はこの上を行き、スムーズさがここに極まれりという感じ。であってそれが「薄さ」ではない。ものすごく華やか。僕の生まれ年蒸留ということで惹かれたハート・ブラザーズの68年はなんと熟成34年でむちゃくちゃいいのだけれど、先のオフィシャルの75年は更にこれすら凌駕している感がある。大事に飲みたい酒だ。
 どれもバーで飲むボトルだろうに。ベンリアック狂いも来るところまで来てしまったみたいだ。