やっと読んだ

テレビ「白夜行」の写真で失礼

 東野圭吾幻夜」がやっと終わりました。まだ読んでたの? て笑われますね。本当は仕事もうっちゃって読んでいたかったさ。
 無論単独の作品として読めるようになってます。でも「白夜行」を読んでいれば当然この新海美冬はあの唐沢雪穂だろう、と思わずにいられない訳です。それがちゃんと確認できるのは終盤になってからですが。とにかく伏線の射程が長いのはこの作家の真骨頂ですね。前作よりもずっと「何があったのか」が明白に判るようになってます。それだけ普通の作品になったとも言えるのでしょうが。肝心のところが一切明示されない「白夜行」は本当に凄かった。
 今回も美冬(=雪穂)の天才鬼畜ぶりはすごいです。これほどのキャラクターですからね。作者がまた描きたくなった気持ちはとてもよくわかります。物語が阪神大震災から始まるんです。経験者としてはあの光景を思い出さずにはいられません。のっけから引き込まれてしまいました。物語は(雪穂が再び物語世界で生きる必然性は)この震災あってこそ、ですので、目のつけどころ見事だったなと思いました。また今回はより「映像向き」という感じがしましたね。クライマックスなんか本当に。続けようと思えばまだ続けられそうな感じですが、これで終わっておいた方がいいように思います。などと言いつつもし続編が出たらまた読むのでしょう。この付き合いのよさで、結局次には「ハンニバル・ライジング」原作を買ってしまいましたよ。