インク工房体験

本当にバーテンダーのよう

ナガサワ文具センター本店5階で今日まで、セーラー万年筆の石丸治さんという職人さんによる「インク工房」というものが開催されていた。というのを、今日になって思い出した。石丸さんは「インクブレンダー」と仰るそうだ。ナガサワのHPで吉宗さんが詳しく書いていらっしゃって(こちらを是非http://www.rakuten.ne.jp/gold/nagasawa/hitorigoto/220/http://www.rakuten.ne.jp/gold/nagasawa/hitorigoto/223/)、僕も一度是非お願いしたいなと思っていたのだ。
欲しいインクの色はいっぱいある。ただ、最近いろんなメーカーがいろんなカラーを出し始めていて、結構欲しい色に近いものが購入可能になってきた。いい時代であるなあ。そこで、そういったメーカーのものでも見つからない色を、ということで、「落ち着いたオレンジ色」というのをお願いしてみた。オレンジ色のインクも何種類かあるのだが、明るすぎる嫌いがある。普通に手紙に使えるような落ち着いた色合いはないものだろうか。
始めはたくさんの色見本を見せてもらって、イメージに近いものを選ぶ。その色をまず作ってみてもらった上で、だんだんイメージに近づけて行きましょう、という手順のようだ。最初に出してもらった色は、落ち着いていていいのだけれど、ともすると「明るい茶色」に見えなくもない。あくまでオレンジに見えるところまでは明るくして欲しい。3度ほどの調整を経て、「これだ」という色合いに到達。これを50ミリ瓶1本分作ってもらえる。
「色に名前をつけますか?」と言われる。おっと、これは考えてなかった。しまったなあ。でも、色を見てると沈む寸前の陽の色のようだ。「夕焼けみたいですね」と申し上げると、「じゃ三丁目の夕日だな。あの映画ご覧になりました? もう涙が止まりませんよ」ということで、アッサリこの色は「三丁目の夕日」色ということになった。こうなると映画、観ておきたいなあ。