酒浸りの日也

 ↓のコメントやりとりが先になってしまいましたが。

 夙川に花見に行くことにしたのです。昨日買ったワイン(例の映画「サイドウェイ」にちなんで初めてのカリフォルニアワインを買った。それも珍しく白。主人公マイルスが拘っていたピノ・ノワール種のは残念ながら置いてなかった。あっても高かったろうな。一応ピノ種の葡萄のものを選んだが、それでもサンゼンエンもしやがった)を、たった200ミリ入る魔法瓶に入れて持って行くという周到さでアル。
 夙川ならチャリで行けるんだよなあ。阪急の夙川駅前まで走らせて、河川敷に出てそこからはゆっくり歩いた。ご老人がたくさんおられる。近くの方には絶好の散歩道だ。ソメイヨシノはまだ蕾が開く直前なのが殆どだったが、やまざくらなどはかなり開花している。暖かだし、いい気持ちだ! 川べりまで降りて歩く。逆瀬川の駅近くまで歩いて、ベンチで一服。ワインの出番だ。二度目に入った「トニー滝谷」を開いたが、ちょっとだけ読んで余韻だけいただいた。散歩の犬がこっちを見ている。一杯欲しいのかな。
 どれくらいぼんやりしたか、「このくらいにしといたろ」、と立ち上がった。再び夙川方向に、今度はチャリに乗って走る。気持ちいい! 夙川駅を通り越して更に南下。JR、阪神、と越したところで東に曲がり、酒蔵通りへ。この辺り、灘の大手酒蔵がひしめいている。火曜休館が多い中開いていた日本盛の「煉瓦館」に寄ってみる。ここは蔵の見学には事前の予約が要るとのことで、あんまり見て回る余地はなかったが、ここでしか買えない酒はいっぱい売っており、中から原酒の「お試しセット」というのを買ってみた。ちっちゃい瓶が3本。あらしぼり・純米・吟醸。よしよし。さてここを出たところで時計を見ると11時を少しまわっている。ええ感じだ。そこで「悲水そば いちから」http://kobe.cool.ne.jp/ichikara/に電話してみる。ここは山本酒店でご主人に紹介していただいた井上一成さんという方が、宝塚は中山寺でやっておられる店。行こう行こうと思いながら叶わずにいたので、今日こそいい機会だと思っていたのだ。お一人でされているので事前に電話した方がよい、と言われたのを覚えていた。
 これから伺う旨申し上げて、そこから今津までチャリを走らせる。ここに自転車を止めておけば、阪急で中山まで行けるし職場に行って帰って来た時ここで降りても家までちゃりで大丈夫な距離だ。カンペキカンペキ。阪急で今津線から懐かしの宝塚線にまわり、中山寺で下車。降りてすぐの場所だが、ごく普通の家でやっているのでちょっとまぎらわしいと伺っていた。確かに! むっちゃフツーのマンションの2階。一応外に向けて屋号の旗は出してある。玄関にも「お気軽に、呼び鈴は押さずにお入りください」とあるが、一見の客はとまどうよなこれは! おじゃまします、と言う感じで入ると当たり前だが中はやっぱり普通のマンションで、廊下から曲がって部屋に入ると、キッチンがお店になっていた。先客がおひとり。静かにダシ巻きでお酒を飲んでおられる。あとで伺うと関東から越して来られて10年という方だそうだが、週に2〜3回来られる常連さんだそう。参りました!
 蕎麦はメニューにはただ「悲水そば」のみ。これと、笹身のタタキとそばがき、そして賀茂鶴をいただく。当然山本酒店で仕入れた酒もあり、大黒正宗もいただく。昼日中から(いや朝から続けてか)のんだくれである。料理の味? 旨い! タタキはかいわれとみょうがの薬味と絶妙だし、そばがきは松林とまた違ったモッチリで、おろした生姜がまたピッタリ。蕎麦は極細。麺はよくある「田舎蕎麦」風だがこんなに細く切られているのは見たことがなく、正に僕の好みにぴったり。のどごし良く更に風味もたっぷり。こりゃ気に入りました! しかも「どうぞおかわりして下さい」と、結局2枚いただく。これで500円ですよ奥さん! この蕎麦は湯がき15秒だそうだ。さてさて麺食い同盟諸氏よ、これは行っとかなあきまへんでぇ! 
 よし、満足した。職場に行ってやろう。本来はここから更に宝塚、芦屋、岩屋のいづれかに出たかったのだがもうそれは無理だろう。ただちょっと酒をさましてからでないといかん。今津まで戻ったところで昔何度か入ったことのある喫茶店に行きサントスを一杯。旨そうに飲んでたのか、出しなに「サントスは如何でしたか」とマスターに訊かれた。ちょっと薄かったとは言わなかった。
 職場に着くともう3時をまわっていた。ダメダメである。でも顔を出すと生徒は喜んでくれたが。ええ子らや。
 ということで、実に中途半端ではありましたが、酒浸りのご近所紀行でございました☆