行ってきました

早めに家を出て松林で昼を食べた。運良く親父さんと会えた。明日、常連のKさんの結婚を祝う会をするけど、と誘っていただいた。が、「明日かあ〜」と言葉を濁すしかなかった。明日の晩は他所の蕎麦屋に行くことになっている、とは流石に言えなかった。
そして森之宮へ。今日は市立の芸術祭の開幕。トップを飾るのは音楽の部。市立の各校が集まってのコンサートだ。
講師の頃から吹奏楽部の演奏を聴きに行くのは好きだった。前任校では同い年のKが指導に入ってから吹奏楽部が俄然伸び、年度末に定期コンサートもするようになって、それを聴きに行くのを楽しみにしたものだ。しかしこちらに転勤すると吹奏楽部は人数もおらず指導者もなく、校内で楽器の鳴り響くこともない寂しいもので、そういう楽しみがなくなっていた。それが昨年度から来られた音楽の講師の方の尽力で、たった2年で急成長した。去年度から担任になり、クラスには吹奏楽部員もいた。そのクラスの生徒が「暇があったら来て」と言ってくれたが結局行けなかった。恥ずかしながら、これまで音楽の部には一度も行ったことがなかった。前任校では先述の定期コンサートが晴れの舞台で、この音楽の部はあまり大きな舞台ではなかった、という事情もあった。ところが、その誘ってくれた生徒が僕が行けなかったと翌日知って、ものすごくがっかりしたのだ。これは悪いことをした、と思った。来年は絶対行こう、とその時決めた。
そして今日である。
なにせ初めてだから何も知らない。12時半開演と聞いて時間丁度に行った。まあ2時間くらいのものだろうと思っていた。済んだら帰って仕事も少ししないと、明日は明日でバレー部の試合から麺喰い同盟だ。ところが、まず開会式でアリガタイオハナシが30分も続いた。やっと本番が始まってみて、そこで初めて「これは大事だぞ」と気がついた。なにせたくさんの学校が出演する。中には吹奏楽部、授業で音楽選択している生徒の混声合唱、更に筝曲部、と、複数回出てくる学校もある。これは長丁場だ。しかもウチの学校の出番はかなり後ろの方。結局、約5時間にも及ぶ堂々たる大会であった。
しかし実際堪能した。ウチは成長したとは言えまだまだ弱小、他に3校との合同チームでやっとの出場。それでも立派なもんだ。カルメンとか、瞳をとじて、とか、元気にやり遂げた。懐かしい前任校やM校S校の演奏も聴くことができた。
それにしても生はいい。下手でも響いて来るものが確実にある。殊にコーラスというのに僕は弱い。聴いていると涙が出そうになる。歌はいいな、としみじみ思ってしまう。
もともとジャズのように各自が縛られずに演る演奏の方が好きだけど、吹奏楽のように全体がマシンと化し、個が完全に全体の奉仕者となって一丸演奏に収斂して行く快感というのも確かに感じるのだ。
余韻を残したまま、帰りには山本酒店へ。
ボジョレーではないが、今年の新酒(=ヌーヴォー)を飲ませていただき、更にもっとしっかりした赤ワインとも飲み比べをさせていただいた。大黒のこの季節のお酒ももうすぐとのこと。楽しみだ。今日は東長を買って帰った。